悟り6(鬼塚勝也の覚悟)

「覚り」、「悟り」。

この境地が存在するということを、いつ知ったのか覚えていない。

そんな昔ではない。

縁あって、知ることとなった。

この、3次元の苦。

戦争があり、病気があり、天災があり、身内の不幸があり、様々な出来事が不意にやってくる。

他人事のように思っていたら大間違いである。

常に隣り合わせで、そんなものと共存するしぶとさが生きる知恵である。

逃げられるものではない。

覚悟を決めた瞬間に肚が座り、苦と共存し、知恵が湧き出でて来る。

「今ここ」には瞬間しかない。

拠り所もない。

逃げたらやられる。

観念して、覚悟を決める。

元世界チャンピオン鬼塚勝也氏の例を出す。

鬼塚氏は非常に繊細な人格で、試合に向けて悩みに悩むタイプのボクサーであった。

試合に至るまでに、己の不利な状況を何度もイメージし、例えばダウンを喫した時の対処法をイメージして、実際にダウンした時も想定内だったという。

だから、試合後に全てから解放されて号泣することも多々あった。

そこまで追い込んで、試合になると一転覚悟を決めて「今ここ」で在り続ける。

試合が終わると、何も覚えていない。

スパーリングにおいては並のボクサーであった。

思考しながら、悩みながら練習していた。

だから、4回戦ボクサーのパンチを結構もらっていた。

悪いところを練習で修正しながら糸口を探していた。

一転、試合での覚悟、集中力は抜群であった。

 

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